『旧約学研究』は、日本旧約学会が発行する学術雑誌です。旧約学に関する論文を掲載しています。
年に2回開催された学会で発表された中から、学術論文としてふわさしいものを収録し、また、シンポジウムの報告や会長講演などが掲載されます。
旧約学研究 2022年 第17号
論文
ヨセフ物語とエジプトのディアスポラ神学 ……日高貴士耶……1
エリフ演説と『感謝の詩編』の言説の比較研究 -『感謝の詩編』におけるエリフ演説の受容について ……藤方玲衣……31
ユダの家の継続とダビデの永遠 ……宮嵜薫……55
ダニエル書の「終わり(の時)」再考 -祭儀回復への切望が終末論の萌芽だった!? ……矢田洋子……95
旧約学研究 2021年 第16号
論文
歴史の詩と詩編の歴史 ―詩編における78, 105-106 , 135-136の構成的機能― ……藤田健太……1
エリフ演説(ョブ記32-37章)と「感謝の詩編」の言説比較 ―「神の正義」と「創造」の関連付けについて ……藤方玲衣……39
「隠れる」という意味のヘブル語は区別可能か ~kḥḏ, ṭmn, ‛lmを例に~ ……公文光……59
恥知らずな男? (創12:10-20) ―ディアスポラの民としてのアブラハム― ……上村静……87
旧約学研究 2020年 第15号
論文
新月祭と安息日について ―イザヤ、ホセア、アモスの発言をめぐる釈義 ……パウロ小林進……1
旧約聖書の創造のモチーフと戦いのモチーフは共存するか ~詩篇74:12-17における「創造のモチーフ」~ ……津村俊夫……31
会長講演
なぜ、センナケリブはエルサレムから退却したのか ……月本昭男……65
旧約学研究 2019年 第14号
論文
エリフの発言(ヨブ記32-37章)と1QHaにおける苦についての言説の比較考察 ……藤方玲衣……1
民数記20章14-24章の文学的構造 ……長谷川忠幸……29
夜の幻のうちに秘密が明かされた ―ダニエル書2章とバビロニア王ナボニドス― ……杉江拓磨……57
ヨブ記42章6節の解釈再考 ……並木浩一……73
旧約学研究 2017年 第13号
会長講演
申命記史家(たち)の王朝神学 ……山我哲雄……1
論文
1517年―2017年:500年目に思う旧約の課題 ……手島勲矢……37
シンポジウム「旧約聖書の翻訳をめぐって」発題
新共同訳聖書が目ざしたものとその限界 ……大野惠正……55
近年の聖書翻訳の原則―総論と各論 ……飯謙……75
旧約学研究 2016年 第12号
論文
イザヤ書55章7節にみる救済の概念 ―ki yarebeh liselôḥaをめぐる考察― ……熊谷勝広……1
諸国民のエルサレム巡礼―思想史構成の試み― ……小澤昴平……25
古代イスラエルにおける王権観の変遷 ―申命記と申命記史家を中心として― ……高橋優子……43
箴言第Ⅱ部の格言における二句一組の形式に関する一試論―並行法の<新定義>を参照して― ……加藤久美子……59
会長講演
預言者エリヤとアハブ王の最期 ―歴史的、伝承史的、編集史的考察 ……山我哲雄……83
旧約学研究 2014年 第11号
論文
nûn paragogicumの比較検討に基づくマソラのモーセ五書部分とサマリア五書の受容聖書の探求 ……守屋彰夫……1
預言者エゼキエルの祭司性―「再活性化運動」の視点から― ……北村徹……51
シンポジウム「神義論」発題
ヘブライ語聖書における「神の義」~その表現と機能~ ……水野隆一……73
神義論から脱・神義論へ ……竹内裕……89
タナッハ構造とヨブ記の特殊性:神義論をめぐる哲学と聖書解釈の対話のために(要点) ……手島勲矢……107
ショートノート
創世記19:29における神 ……大住雄一……125
旧約学研究 2013年 第10号
論文
エゼキエル書28章11節~19節と創世記2章~3章―神話的表象をめぐって― ……山畑譲……1
トビト記における『統合』と『癒し』への希望―物語を読むことから生まれる力 ……大澤香……19
嘆きの果てに―哀歌におけるimprecationについて ……左近豊……39
テラの家系―創世記11祖父27~32節― ……柊暁生……63
会長講演
アケダーの真髄を尋ねて―旧約学と哲学の協同― ……関根清三……89
シンポジウム「欧米の旧約学の批判と総括」発題
『汝なお一つを欠く』とするならば ……大住雄一……135
預言者研究のパラダイムシフトと課題 ……樋口進……143
ヘブライ語聖書「諸書」における研究の回顧と展望 ……石川立……155
旧約学研究 2012年 第9号
論文
ヨシヤの改革と詩篇72・80篇 ……高橋優子……1
サムエル記によるとダビデは一神教者であったのか? ……ショート・ランドル……15
シンポジウム「旧約学と説教」発題
今日の礼拝と説教における旧約聖書の位置づけと活用 ……越川弘英……39
教会の礼拝説教と旧約聖書―アメリカの説教学の変遷と重ね合わせながら― ……平野克己……55
預言者的想像力と説教―旧約学と説教の接点を求めて― ……大島力……91
総論とヨブ記のアンティフラシス ……並木浩一……103
旧約学研究 2011年 第8号 創立77周年記念号
論文
ヘブライ語聖書における「魔術」の相関図―タルムードの議論を参考にして― ……大澤耕史……1
新約聖書における旧約引用の問題―ヒエロニュムス『最善の翻訳法』を中心に ……加藤哲平……21
コヘレトの反黙示思想―二つの詩文をめぐって― ……小友聡……41
歴代誌でアハズ王はなぜ個人的に罰せられないのか?―歴代誌における応報神学への一考察― ……山我哲雄……59
シンポジウム「日本の旧約学」をめぐって
会長講演 日本の旧約学―学の回顧と学会の展望― ……関根清三……93
発題講演 「過去を顧みて」 ……西村俊昭……115
雑感 ……野本真也……129
日本旧約学会77年史 資料(1989年以降)……139
旧約学研究 2010年 第7号
論文
古代末期ラビ・ユダヤ教におけるヨブのイメージ―バビロニア・タルムード ババ・バトラ14b-16bから― ……根本豪……1
新生のイスラエルを視た者―内的創造過程としてのエゼキエル理解― ……北村徹……21
「聖書翻訳とヘブル語文法」第二サムエル記7章1節―17節の動詞のテンス・アスペクト―談話文法の視点から― ……津村俊夫……43
シンポジウム発題(「預言と預言者」)
マリ出土の預言報告書にみられる預言と預言者 ……中田一郎……69
宣教史としての預言研究―エレミヤ書の場合― ……大串肇……93
古代イスラエル預言者の行動と意識 ……北博……109
研究ノート
詩編90編10節の enl wawn ……木内伸嘉……125
旧約学研究 2009年 第6号
論文
文学的解釈とユダヤ教註釈学の伝統について―ロバート・オルター(1935-)を例に ……竹内裕……1
シンポジウム発題(「ユダヤ学と旧約学」)
「タナッハ」の構造分析と高等批評の「ユダヤ教」理解 ……手島勲矢……25
ユダヤ教研究におえる二重のパラダイム・シフト ……長窪専三……47
モーゼス・マイモニデスとユダヤ教の613の掟 ……山我哲雄……67
研究ノート
“pnyw”による救い:主の現臨の記憶―イザ63:9における本文批評的問題 ……田中光……123
旧約学研究 2008年 第5号
論文
ヨブの病気はどのように言い表されているか―勝村論文の指摘への応答― ……並木浩一……1
シンポジウム発題(「死海文書をめぐる諸問題」)
死海文書の翻訳をめぐって ―相互テクスト性の観点から― ……勝村弘也……35
サマリヤ・テクストからサマリヤ五書へ ……守屋彰夫……57
『地のために贖う』(1QS8.6)―クムラン共同体のセクト主義 ……上村静……77
研究ノート
エゼキエル理解の新たな視点を求めて―「シャーマニック・イニシエーション」を観点として ……北村徹……93
旧約学研究 2007年 第4号
講演
原初史の主題 ……月本昭男……1
イサク献供物語の哲学的解釈 ……関根清三……19
論文
エゼキエル書28章1―19節の場所的表象 ……北博……57
サライ―或いはサラ―の不妊 ……柊曉生……73
旧約聖書の契約伝承における「父―子関係」 ……菅沼英二……80
旧約学研究 2006年 第3号
論文
ヤハウェと彼のアシェラ ―古代イスラエルにおける一神教と多神教― ……津村俊夫……1
レビ記13―14章に関する研究 ―ツァーラアトとその清めをめぐって― ……加藤真衣子……16
シンポジウム発題(「旧約聖書と一神教」)
旧約聖書の宗教はいかなる意味で一神教的であったのか? ……山我哲雄……33
古代イスラエル一神教をめぐって ……月本昭男……58
ユダヤ教における一神教の三類型 ……並木浩一……80
旧約学研究 2005年 第2号
論文
ヨブ記内部の相互テクスト性に基づく解釈の試み ……並木浩一……1
シンポジウム発題(「申命記主義」)
四書における「申命記主義」 ……大住雄一……19
申命記30章1―10節へのエレミヤの影響について ……朽木裕二……42
預言者と申命記主義 ―エレミヤ書を中心に ……関根清三……61
旧約学研究 2004年 第1号
創刊の辞 ……日本旧約学会会長 並木浩一……1
講演
神の弁論(ヨブ記38―41章)は何を意味するか ……並木浩一……3
論文
詩編33編の編集と主題 ―4Qpsaと4Qpsqを参照して― ……飯謙……24
シンポジウム発題
「モーセ五書」の最終形態について ……山我哲雄……41
イザヤ書の最終形態 ―イザヤ書66章の文学的構造とその機能― ……大島力……61
詩編の最終形態へ ……守屋彰夫……79